健康経営は「予定を詰め込まない」ことから
急な歯痛で気づいた、余白の大切さ
週末から歯が痛み、月曜日の朝一番に歯科医院へ電話をしました。
その日は午後から運動指導の仕事。
「まずは予約だけでも」と思っていたところ、出かける時間までに診てもらえることになりました。
気になっていたのは、以前から食べ物が挟まりやすかった奥歯の周辺です。痛みが続き、虫歯かもしれないと心配しましたが、診察では虫歯ではないとわかりました。
早めに受診できて、ほっとひと安心。
同時に、「もし午前中も予定で埋まっていたら、どうしていただろう」と考えました。
仕事も家の用事も大切です。でも、自分の体を整える時間まで、予定の隙間に押し込もうとしていないでしょうか。
「時間ができたら受診する」では間に合わない
私は、がんの治療を経験したときにも、時間の使い方を見直しました。
医師から指定された検査や診察は、仕事より優先して調整しなければならないことがあります。
ところが、日頃から予定がぎっしりだと、通院の時間を確保するだけでも大仕事です。
「今日は無理だから」
「もう少し様子を見よう」
と、自分のことを後回しにしたくなります。
若い頃は、予定のない時間をもったいなく感じていました。
でも今は、何も入っていない時間があるからこそ、体調の変化にも対応できるのだと感じています。
余白は、何もしていない無駄な時間ではありません。自分の健康を守るために、使い道を決めずに残しておく時間なのです。
健康経営にも必要な「受診できる余白」
この気づきは、職場の健康経営にもつながります。
経済産業省は、健康経営を「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」としています。
健康を個人任せにせず、働く環境や仕事の進め方から考える視点です。出典:経済産業省
たとえば、健診や運動の機会があっても、忙しくて受診できない、休むと周囲に迷惑をかけると感じる職場では、健康のための行動を起こしにくいのではないでしょうか。
だからこそ、健康づくりの企画を増やすだけでなく、「必要なときに仕事を離れられるか」を見直したいと思います。
体力づくりと同じくらい、休養も大切に
- 急な通院に対応できる業務分担
- 誰かが休んでも引き継げる仕組み
- 「無理せず診てもらってね」と声をかけ合える雰囲気
こうした日常の工夫も、健康経営の大切な実践として考えられます。

私は今も、筋力トレーニングやお稽古を通して、体力づくりを続けています。
それでも、病気をする前と比べると、休養が必要だと感じる場面が増えました。
「前はもっとできたのに…」と思うこともあります
でも、以前の自分を基準に頑張り続けるより、今の自分に合うペースを探すことを大切に
50代、60代になると、仕事に加えて家事や家族の用事など、自分以外のことに時間を使う方もいらっしゃるでしょう。
そんなときこそ、休む時間を「全部終わった後」に回さないでほしいのです。
私自身、無理を重ねていた頃は、熱を出して寝込むことがありました。最近は意識して休むようになり、大きく体調を崩して寝込むことが減ったと感じています。これは私個人の実感ですが、動くことと休むこと、その両方を大切にしたいと思っています。
予定表に、健康のための空白を
予定のない日は、あえて何も入れない。
その日に体調や気持ちを確かめてから、過ごし方を考える。最近は、そんな選択ができるようになってきました。
個人なら、自分を後回しにしない時間を。
職場なら、通院や休養をためらわずに選べる仕組みを。
健康経営の第一歩は、新しい取り組みを足すことだけではなく、詰め込みすぎた予定を見直すことにもあるのではないでしょうか。
今日の予定表に、自分の体を大切にするための「余白」を残しておきたいですね。




